こんにちは!ROBOSPOTの木内です。
今回から4脚ロボットの設計から一旦離れて、設計の為の基礎知識を数回に分けてご紹介します。まずはロボットの中でも重要なサーボモータから。
サーボモータ(以下サーボ)を簡単に言えば、動く角度を決められ、位置を保持することができるモータのことです(厳密には違いますので詳しくは各々で調べて下さい)。ホビーロボットの場合、サーボは各関節の可動軸毎に使われることが多いです。例えば弊社製KHR-3HVであれば基本状態で17軸、拡張で22軸化が可能となっていますが、これは基本状態で17個、拡張で22個のサーボ搭載が可能ということになります。
さて、設計するときには前回取り上げたように概ね軸数が決まっていると思います。それらの可動軸に対してどんなサーボを適応するか、特に発揮トルクから考える必要があります。
ここで言うトルクとはざっくり「サーボの力」のことです。
弊社製KRSシリーズサーボのトルク表記の単位は「N[kg・cm]」となっています。つまり、「1[cm]先でN[kg]のものを持ち上げられる力を出せる」という意味になります。
図にするとこのとおり↓
このトルクが荷重に対して充分でないとロボットがうまく動作しませんし、最悪サーボが壊れます。またトルクの単位からわかるとおり、荷重点までの距離が遠いほど発揮できる力は小さくなります。
今回は、KRS-3204を使用しますが、トルク9.3kg・cmを出力しますので、10cm先で0.93kgのものを持ち上げられる計算になります。
以上を踏まえて設計していきますが、ただトルクの高い(パワーの出る)サーボを使えばいいというわけではありません。
例えば二足歩行ロボットでは機体サイズ(脚長)を長くすれば、歩幅やバッテリーなど搭載するもののサイズを大きくすることができます。しかし機体規模が大きくなるとサーボの必要トルクが大きくなり、対応する為にパワーの出る大きいサーボを搭載すると全体の重量がより重くなり・・・といった悪循環に陥る為、必要トルクをしっかりと決めて設計することが重要になります。
必要トルクは次の式から概算できます。
機体重量 + 持ち上げたい重量 ≦ 必要トルク(モータ発揮トルク) × 0.8 ÷ 軸間距離
上の式で必要トルクを0.8倍していますが、これはサーボが最大トルクを発揮し続けないよう、余裕をもたせるために乗算した値です。この値は私が慣例的に入れている値なので特に根拠はありません。ただし余裕が大きいほどロボットの動作は安定します。また、軸間距離はある可動軸から次の可動軸までの距離のことになります。ヒト型二足歩行ロボットであれば、足首関節から膝関節までの距離といった具合になります。
今回は以上です。
次回は、ロボットにつかう材料についてです。
乞うご期待!!!